韓国ソウル 私立小学校の英語早期教育禁止 驚きの判決

日本では2018年以降、小学3年生から英語の“聞く”、“話す”に重点を置いた外国語活動が、小学5年、6年生で“読む”、“書く”などを含めた英語を教科として指導することが始まる。品川区の区立小学校では2014年より、1、2年生で20時間、3~6年生で35時間の英語学習活動がすでに区独自政策により導入されている。日本に先立って英語教育に力を入れ、日本以上に高い英語レベルを獲得している近隣の国、韓国では、1997年に小学校に英語教育が導入された後、2012年に小学校の英語は、小3、4年で週2時間、小5、6年で週3時間の活動が制定された。日本の公立小学校より、英語教育時間は少ない。

韓国は、低学年からの英語教育には慎重に対応しているのか、今年2月に、私立小学校低学年を対象とした早期英語教育“イマージョン教育”を禁止とする判決が、ソウル裁判所で下された。2013年9月に、ソウル教育省が、集中的な英語教育を行っている私立小学校に対し、小学1、2年は英語学習ゼロ、3年~6年までは週2、3時間以内に制限するよう勧告を出した。つまり、公立小学校との差をつけてはいけないということだ。もちろん、この決定を不服とする保護者約1,276人が教育の自由に抵触するとして、裁判所に訴えたが、裁判所は、教育省の決定を支持し、2つの言葉を同時に学習することは、母語の習得の妨げになるとして、保護者の訴えを退けた。

さらに、教育省は2017年度から子供の負担を軽減するため、小学校や中学校での英語教育時間を削減する案を示した。時代に逆行した教育省の方針に、保護者は怒り心頭。英語教育を優先していた韓国が一転して母語の習得の重要性を説くのは、なぜなのか? 低学年時に2つの言語を同時に学習することが、母語の習得の妨げになるという主張が正しいかどうかは、様々な専門家の意見があってよくわからない。あくまでも私の考えですが、早期英語教育は、母語によって効果のあるなしが決まるように思うのです。同じ英語の語源であるラテンやゲルマン言語圏しかも思考回路の似ているこれらの国では、相乗効果があるように思うのですが、まったく異なる語源の日本語や韓国語や思考回路の違う日本人や韓国人などに、当てはまるのでしょうか? 母語の習得に少なからずとも影響を与えると思うのです。どう思いますか?