英語で学ぼうロボットプログラミング イベント11月開催!

「英語で学ぶロボットプログラミング」イベントを、2016年6月10日午後1時~5時の2部制で小学生向けに実施した。東工大の学生団体「Robogalsロボギャルズ」とコラボしたこのイベントに、小学1年生~中学生2年生まで計36人が集まった。留学生や帰国子女5人のインストラクターが英語で教えるプログラミングに、子供たちはものともせず、PCを動かし、あっという間にロボットを自由自在に動かすまでマスターした。

プログラミングは英語で書かれている。子供たちに英語をもっと慣れ親しむ環境を用意して、子供たちが英語の理解力を深めることができれば、もっと自由にプログラミングもマスターできるはず。という思いで、次回11月20日(日)も東工大でイベントを実施します。さらにパワーアップしたプログラムを用意しているので、ご興味のある方はご連絡ください。

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NOホームワーク? 米国の小学校事情

都内の公立小学校、それも宿題量が多いことで有名な学校に通う4年生のわが息子の宿題の量が年々減っているのでは、と心配になっている。この学年から塾に通う子供たちがぐんと増えるからなのか、所要時間約1時間から今や30分程度の量になっているのは、仕方がないことなのだろうか。

宿題の量について心配する保護者は、日本だけではないようだ。米国でも9月の新学期を迎えて、学校の宿題はないほうが子供の教育にとってプラスになるのか、それとも従来通り宿題は1学年ごとに一日10分増やしていく「一日10分間」方式が子供の学業に好影響を与えるのか、議論が巻き起こっている。

米国の公立小学校ではこの数十年間、子供の成績向上に効果があるとされる「一日10分間ルール」が、全国の基準として推奨されている。1日10分間ルールとは、小1年時の宿題は夜の10分間で済む量を出し、学年が上がる毎に宿題にかかる所要時間が10分間増えていく方式だ。5、6年生になると、1日2時間費やさないと終わらない量になる。PTAと教育委員会もこのルールを承認している。

米教育関係者や研究者の中には、宿題が小学生の成績に好影響を及ぼすとする相関関係は立証されていないとして、「10分間ルール」に苦言を呈す者もいる。全米の中でも、ニューヨーク州の一部の学区では、2015年度から宿題なしの方針を決定している。もちろん、この決定に抗議する保護者も少なからずいたようだ。また、マサチューセッツ州の一部の学区では9月の新学期からパイロット試験として、学校の授業時間を2時間延長する代わりに宿題を取り止めた。その理由は、4時に帰宅した子供たちがスポーツを楽しみ、家族との団らんの時間を持ったほうが健全に成長するからだという。1970年代から子供の宿題を巡る議論が浮上し、白黒つけることもできなかった。国際競争力を身に付ける教育方針が叫ばれた1990年代は宿題ありに傾いていたが、今ここに来て、宿題なしの傾向に向かっているというのが専門家の見解だ。

マサチューセッツ州の公立学校に通う私の4年生の姪は、毎日学校の宿題が10分間あると言っているが、その代わり3カ月間の夏休みや2週間の冬休みは、まったく宿題がない。とにかくよく外で遊び、スポーツをしている。その姿を見ると、わが息子にももっと体を動かしてほしいと願う一方で、宿題がないと勉強が遅れるのではという不安も感じる。宿題は本当に子供の成績につながるのか? 誰か答えを知っていれば教えてほしいものだ。

(参考:米タイム誌の8月号)

ロボットプログラミング教育~米国では

米国の大手書店の子供コーナーに行くと、目にするのが、「ロボットのプログラミング」*キットだ。色々な種類のプログラミングキットが、棚を占領するように山積みになって売られている。子供たちが夏に通うサマープログラムでも、ロボット・プログラミングのワークショップは欠かせないプログラムで、とても人気の講座だ。プログラミングを通して、論理力や思考力を養うだけでなく、数学や科学、エンジニアリングの力が身に付くと言われているから、米国でも、プログラミングを小さいうちから子供に習わせようと思う熱心な親が多い。米東部タフツ大学コンピュータサイエンス(CS)学部の調査によると、子供にとって発達段階に合った道具を与えれば、5歳からプログラミングを学習することは可能だという。

米国のコンピュータプログラミング教育を推進する民間団体の調査によると、保護者10人のうち9人の割合で、子供にコンピュータサイエンス(ロボット・プログラミングが入る)を学ばせたいと思っているというデータもある。コンピュータサイエンスを専攻した学生が社会人になった時に稼げる収入は、平均的な大学生の収入の4割増し。しかも2018年までには有望な専門知識になると言われているため、親は子供の将来のキャリアにつながると考えるようだ。米国の親も、日本の親と、教育への熱心さは変わらない。おそらく、日本の社会も、数年後には米国と同じようなキャリア志向になると思う。

グーグルやアップル、フェースブックと世界的なIT企業のある米国は、プログラミング教育の最先端と思うかもしれない。実は、プログラミングを含むコンピュータサイエンス(CS)が、小学校や中等機関では実施されていないところが多いのが実情だ。そのため、オバマ大統領は2016年1月、「全ての学生に仕事に役立つ実践的コンピューター科学と数学のクラスを導入する」ことを決定し、コンピュータサイエンスを小中学校レベルのコア科目とし、担当教員の専門的能力開発を支援する教育制度改革案を承認し、CS教育を推進している。実質上、教育方針は州法によって決定され、また学区によって教育予算も異なるために、プログラミング教育を実施していない学校もかなりある。全米53州のうち、実施している州は32州で、学校4校のうち1校しかコンピュータサイエンスを教科として設けていないというデータも発表されている。

米国では、学校や自治体がプログラミング教育を牽引するというより、民間の団体が企業の支援を受けてプログラミング教育を定着させようとする動きが加速化している。しかも、無償で子供たちや教育関係者がプログラミングを学べるようにシステム化されているところが、凄い。代表的な団体が、コードだ。日本語でもプログラミングを学べるので、ぜひhttps://code.org/にアクセスしてみて。

 

私も小規模ながら、6月11日に小学生~中学生を対象とした「英語で学ぼうロボット製作」と題したワークショップを主催した。東工大、お茶ノ水女子大、青学などの学生団体とのコラボ企画で実現したワークショップには、小学1年生~中学3年生まで36人が参加。それぞれチームで作ったロボットでレースを競い合い、こちらの予想をはるかに超えてすごく盛り上がった。

次回は、11月20日午前、東工大で実施します。ご興味のある方はご連絡ください。

 

*4~7歳向け:KIBO ロボットにブロックをつないで指示を与え動かす玩具

*対象すべての年齢: 

・Dash&Dot スマートフォンタブレットのアプリケーションとつないで動かす小さな目玉の形をしたロボット

Lego Mindstorm

 

(NY Times, Sep.272014, Education News 2015